女性化乳房:ベイザーとパワーX、乳腺切除の併用治療

今日は女性化乳房の手術に関してお話ししたいと思います。

さて、今日は女性化乳房に関しての話です。

元々私自身も小学生の頃、太っていたため、成人しても乳房が大きかった記憶があります。もちろんそれが、仮性女性化乳房だったという事は、私が医学部で習った事で判明しました。

ご存知の方が多いでしょうが、(男性の)女性化乳房は真性と偽性があります。両者の区別は、前者が乳腺の発達があり、後者が乳腺の発達が無く、脂肪によるものです。



偽性女性化乳房の場合、脂肪吸引で吸引すれば良い

真性女性化乳房の場合、乳腺切除+脂肪吸引をするというのが鉄則です。



つまり、真性の場合、脂肪吸引だけで、乳腺を残すとポッコリ乳腺だけが残った様になってしまう場合もありますので乳腺切除が望ましいです。



上記の判別は丁寧にエコーで確認し行います。



さて、真性にせよ偽性にせよ、乳房が膨らんでいることには変わりありません。つまり、多少は皮膚が伸びているわけです。

よって、脂肪吸引の方法や技術でもその結果が異なってきます。

ベイザーリポを上手に使い、皮膚を収縮させてあげないと、たるんだ胸が出来てしまいます。つまり、ベイザーだけではなく技術も必要になってきます。

また、偽性女性化乳房の方でも線維質が多く、いくらベイザーリポを用いても、(基本ベイザーは脂肪にしか対応しませんので)脂肪(+結合組織)がとりにくい場合があります。

こういった場合に有効なのが、パワーXという、ベイザーリポと同じ会社が作っている吸引機械です。これはカニューレを回転させることにより、よりスムーズに多くの組織(繊維質混じりの場合も有効)を吸引する事ができます。

さて、これらベイザーや、パワーXなど。素晴らしい技術で、脂肪組織を取ってくると、(真性の場合は)乳腺のみ残ってきます。

今まではこの残存乳腺に対して、乳輪下を長めの半月状に切って、乳腺を切除していたのですが、上記のような良い機械、技術を用いれば、ほとんどの場合、傷が小さくて、除去できます。実際の大きさは1センチ程度でしょうか。それも乳輪下縁でなく、乳頭直下ですので、傷が目立つことはまずありません。

今日はそういった画像を見ていただこうと思います。

いかがでしたか?、小さな傷で、乳腺もきちんと取れ、女性的で大きくふくよかだった胸がフラットな状態になりましたね。

今後も、患者様のために、どうしたらより良い治療ができるかを考え、適切な治療を提供していきたいと思いまうす。

今日も手術なさった方、そして手術に関わってくれたスタッフに感謝です。

 

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