シリコンバッグ外来

今日はバッグ取出しと同時のコンデンスリッチ豊胸、そして痩せた方のコンデンスリッチ豊胸でした。手術は全く問題なく終わっています。お疲れ様でした。

先日は痩せた方でもベイザーを使って上手に脂肪吸引すれば十分量の脂肪採取できるお話しをしましたが、今日は、今バッグが入っていて、皮下組織がとても薄い方のバッグ取り出しと同時のコンデンスリッチ豊胸についてお話しします。

皆様あまり知らない方が多いですが、皮膚からバッグまでの距離(厚さ)は何ミリくらいだと思いますか?

バッグが大胸筋下でも乳腺下でも乳房外側下の部分は大胸筋に覆われていません。よって必ずその場所、つまり皮下組織の下はバッグ(正確に言うと被膜)ということになります。

私たちは必ず術前にエコー検査を行い、バッグまでの距離を測るので確実にわかりますが、平均が約5ミリ、薄い方(リップリングを触れる方に多い)は2ミリほどしかない場合もあります。

つまり、”ペラペラ”です。こういった場合、バッグ摘出の際は被膜を破らないようにしないと、皮下に注入した脂肪がバッグが入っていたスペース内に流入して脂肪壊死となってしまいます。

また、このたった数ミリの厚さに脂肪を注入するわけですから、無理な注入、雑な注入をすると血流が悪くなり、これも脂肪壊死に陥ります。もちろん壊死した脂肪は感染、そしてしこりや石灰化の原因となります。

では脂肪壊死を抑えるにはどうすれば良いか?

それは①丁寧なバッグの摘出(当院ではほとんどの場合で脇下から行います)余分に被膜を破らない。②丁寧な注入テクニック・・・数ミリの層に脂肪ができるだけ重ならないように分散して注入する。そして③良質な脂肪(たとえばコンデンスリッチファット:CRF)を注入する事です。

本日手術を行った方は術前のエコー検査で皮膚からバッグまでの厚さがたった2.5ミリでした。正直こういった場合、脂肪壊死などのリスクは高くなりますが、多くの経験でカバーできるものだと考えます。

幸い当院へは全国からこのバッグ摘出と同時のコンデンスリッチ豊胸の手術を受けにいらっしゃっていただけます。毎回単に手術をするのではなく、日々、どうしたら少しでも良い手術ができるかを常に考えながら行うことが大切だと思います。そして、最高の技術を常に提供するのが私たちの義務だと思っています。

(なお、今年の日本美容外科学会の発表内容は、単なる良好な結果という発表ではなく、上記のような難しいケースの手術法の工夫、望ましいやり方についても報告したいと思っています。)

今日も手術をなさってくださった方、そして手術に携わってくれたスタッフに感謝です。