コンデンスリッチ豊胸

今日はバッグ抜去+コンデンスリッチ豊胸後のCRF再注入手術と、広範囲のベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)の手術でした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。

今日の手術は2回目のコンデンスリッチファット(CRF)注入で、それもバッグ抜去後。技術的に注意する点(時にドクターセミナーの時に聞かれる内容)がありましたので、分かりやすくお話ししたいと思います。

この方は、以前他院でCMCバッグを挿入。エコーで確認したところ破損はなかったのですが、(もともと痩せていらっしゃるため)明らかにバッグが浮き出た感じと、バッグが触る感じが気になるという事で、バッグ抜去とコンデンスリッチ豊胸を受けられました。

術後の経過、結果とも良好で、大きさはバッグを入れていた術前とほとんど変わらない感じに仕上がりました。しこりもなく、とても柔らかい、自然な胸になったのですが、術後しばらく多少の腫れがあるときの胸の大きさにあこがれ、今回の2回目の手術を希望なさいました。

さて、そこで問題となるのは、脂肪注入する層です。

一般的には(バッグも何も入っていない初回は)皮下、乳腺周囲、乳腺下、大胸筋内、大胸筋下に分層で細かく、万遍なく注入します。(これをマルチプルインジェクション技術と言います)

しかし2回目の今回、バッグが入っていた層は(前回バッグを抜いてますので)ぺちゃんこです。かつ、その層(以前バッグが入っていたカプセル)にまだ空洞があるのか癒着しているのかは、最新のエコー診断でもまずわかりません。・・・そもそも、昔はこのバッグのスペースは数か月で癒着すると考えられていたのですが、今では閉鎖するかどうかは手術後の状態によって違う事がはっきりしています。(癒着しない場合、何年たっても癒着しません)

もちろん、そのスペース内に注入してしまうと大きなしこりや脂肪壊死の原因になってしまいますので、絶対に注入を避ける必要があります。

手掛かりとなるのは術者の手の感覚だけです。

もちろん皮下、乳腺下には安心して注入可能です。ただ、大胸筋内へは注意しないと被膜を破きカプセルスペース内に入ってしまうので、慎重に注入します。そして、大胸筋下は注入しません。

もし、以前のバッグが乳腺下だった場合はどうでしょう?

そうです。乳腺下の空いたスペースに入らない様に、皮下、カプセル上(乳腺下)、カプセル下(大胸筋内、大胸筋下)に挿入します。

さて、以前にバッグを乳腺下に入れて硬くなったからと言って、大胸筋下に入れ替えた方はどうでしょう?・・・乳腺下のスペースも大胸筋下のスペースも空いている可能性がありますので、皮下と、カプセル上(乳腺下スペース上)、大胸筋内(スペースに入らないように要注意)になります。(大胸筋下は確実に癒着している触感があった時、かつ確認しながら注入します)

やはり、これらの手掛かりとなるのは術者の手の感覚だけになります。

つまり、バッグ抜去後の2回目の注入は最大限の量を注入しようとすると、結構難しいです。

以前バッグを入れた経験があるかどうかによって、手技が変わってきますので、この情報はとても大切です。もし今後脂肪注入による豊胸をお考えの方で、以前バッグを挿入して今は抜去なさっている場合、必ずドクターにお伝えください。結果の向上のためにもよろしくお願いします。

今日も手術をなさった方、そして手術に関わってくれたスタッフに感謝です。

 

文献

  • 1)大橋昌敬, 山川雅之. 加重遠心分離した自家脂肪を用いた豊胸術(コンデンスリッチ豊胸)642例の短期成績:特に注入術後のバストサイズの変化に関して.日美外会誌 2013; 9月号:Vol. 49; No.2: p148-156
  • 2)DanielA.Del Vecchio. ”SIEF"-Simultaneous Implant Exchange with Fat: A New Option in Revision Breast Tmplant Surgery. Plast.Reconstr.Surg. 2012;130:1187-2012