幹細胞の濃縮方法の違い

コンデンスリッチ豊胸

今日はコンデンスリッチ豊胸+乳頭縮小の方、そしてベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)+マイクロCRFの方の手術でした。手術は全く問題なく終わっています。お疲れ様でした。

さて、今日はコンデンスリッチファット(CRF)注入のカウンセリングの際、良く聞かれる質問について解説します。

その質問は、幹細胞(正確には脂肪由来幹細胞、脂肪幹細胞)って何? CRF(コンデンスリッチファット)とCAL(脂肪幹細胞注入法)やセリューションは何が違うの? という内容です。

まず、脂肪幹細胞とは簡単に言うと脂肪細胞を作る種(卵)のようなものとお考えください。

つまり、この種が多い(体積当たりの密度が高い)方が定着が良いと考えられています。この研究の第一人者がCALの開発者である(今日もたまたまお会いした)東京大学の吉村 先生です。
そういった中、最もシンプルに体に優しく良い(脂肪幹細胞密度が高い)脂肪を作る方法が、コンデンスリッチファットだと考えています。

多少医学的になりますが、詳しくお話しします。

CALとは採取した脂肪の一部から脂肪幹細胞のみを分離して、残りの脂肪細胞と混ぜ合わせる事で脂肪幹細胞濃度を高めたものです。この脂肪幹細胞の分離はコラゲナーゼという特殊な酵素を用いて行います。
セリューションとはこの一連の操作をセリューションという機械が行う場合に用います。つまりセリューションとは、CALという方法のうちの一つです。この機械は採取した一部の脂肪から脂肪幹細胞のみを抽出してくれる機械です。この脂肪幹細胞を残りの脂肪に添加して脂肪幹細胞の比率(密度)を増大させ、注入する方法です。

一方、コンデンスリッチファット注入とは、シンプルに採取脂肪の中の不要な細胞を取り除き脂肪幹細胞の比率を増大させた脂肪を注入するものです。多少詳しく言うと、採取した脂肪にウェイトフィルターと呼ばれる“フィルター兼おもり”を乗せ、特殊な遠心分離装置で老化・死活した脂肪細胞のみを壊し、健康でイキの良い脂肪細胞と脂肪幹細胞のみにして、脂肪幹細胞密度を高めた脂肪を注入します。

では、何が大きく違うのかと言うと、コンデンスリッチ豊胸の場合は(セリューションに比べ)無駄になる脂肪の量が少ないという事、コラゲナーゼという添加物を用いないで抽出できるという事です。

どちらも定着には大きな差がないので、私の場合、脂肪を無駄なく使う、また添加物を全く使わないコンデンスリッチファットを採用しています。(当院でも脂肪幹細胞を添加した脂肪を用いた(俗にいう)脂肪幹細胞注入法も可能ですが、上記の理由で9割以上の方がコンデンスリッチ豊胸をお受けになられます)

言葉で書くと難しいので、よろしかったら図解になった下記ページも参考にしてください。

http://www.condense-rich.jp/about/comparison.php

研究は進んでおり、幸い、たくさんの方法が開発されています。しかし、同じ(優れた)方法でも医師の技術を含め、実際のテクニックで結果が大きく変わってくる分野でもあります。
そういった中、より良い治療の選択、そしてより良い技術を皆様に提供したいと考えています。

今日も手術をしてくださった方、そして、手術に携わってくれたスタッフに感謝です。

文献

  • 1) Yoshimura K, Sato K, Aoi N, et al. Cell-assisted lipotransfer(CAL) for cosmetic breast augmentation-supportive use of adipose-derived stem/stromal cells. Aesthetic Plast Surg.2008;32:48-55.
  • 2) Kurita M, Matsumoto D. Yoshimura K et al, Influences of centrifugation on cells and tissues in liposuction Aspirates: Optimized Centrifugation for lipotransfer and cell isolation Plast Reconstr Surg. 2008; 121: 1033-1041.
  • 3) 吉村浩太郎, 朝野裕子, 青井則之. 矢野健二. 形成外科ADVANCEシリーズⅡ-5 乳房・乳頭の再建と整容 最近の進歩. 東京: 克誠堂出版, 2010: 140-151
  • 4)大橋昌敬, 山川雅之. 加重遠心分離した自家脂肪を用いた豊胸術(コンデンスリッチ豊胸)642例の短期成績:特に注入術後のバストサイズの変化に関して.日美外会誌 2013; on press